広場恐怖症|DSM5での診断基準
DSM-5精神疾患の分類と診断の手引 117ページより
300.22(F40.00) 広場恐怖症
Agoraphobia
A.以下の5つの状況のうち2つ(またはそれ以上)について著明な恐怖または不安がある。
(1)公共交通機関の利用(例:自動車,バス,列車,船,航空機)
(2) 広い場所にいること(例:駐車場,市場,橋)
(3) 囲まれた場所にいること(例:店,劇場,映画館)
(4) 列に並ぶまたは群衆の中にいること。
(5) 家の外に1人でいること
B. パニック様の症状や,その他耐えられない,または当惑するような症状(例:高齢者の転倒の恐れ,失禁の恐れ)が起きたときに,脱出は困難で,援助が得られないかもしれないと 考え,これらの状況を恐怖し,回避する.
C. 広場恐怖症の状況は,ほとんどいつも恐怖や不安を誘発する
D. 広場恐怖症の状況は,積極的に避けられ、仲間の存在を必要とし強い恐怖または不安を伴って耐えられている。
E. その恐怖または不安は,広場恐怖症の状況にれる現実的な危険やその社会文化的背景に釣り合わない
F. その恐怖,不安,または回避は持続的で,典型的には6カ月以上続く
G. その恐怖, 不安,または回避は,臨床的に意味のある苦痛,または社会的,職業的,または他の重要な領域における機能障害を引き起こす.
H. 他の医学的疾患(例:炎症性腸疾患, パーキンソン)が存在する場合には,恐怖,不女,または回避が明らかに過剰である。
I. その恐怖, 不安,または回避は,他の精神疾患の症状ではうま く説明できない――例えば,症状は,「限局性恐怖症,状況」に限定されない,(社交不安症の場合のように)社交的状況の みに関連するものではない,(強迫症の場合のように)強迫観念, (醜形恐怖症のように)想像上の身体的外見の欠陥や欠点 (心的外傷後ストレス障害の場合のように)外傷的な出来事を想起させるもの,(分離不安症の場合のように)分離の恐怖,だけに関連するものでない.
注:広場恐怖症はパニック症の存在とは関係なく診断される.その人の症状提示が, パニック症と広場恐怖症の基準を満たしたならば,両方の診断が選択されるべきである。
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